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2023年4月20日
仕事付き高齢者向け住宅ってどんなところ?

注目高まる! 「仕事付き高齢者向け住宅」を知っていますか?

 

仕事をするということに、単に収入を得るという以上の意味を見出す人は少なくありません。それは、仕事を通じてやりがいを感じることが出来たり、仕事の中で生まれる周りの人々とのコミュニケーションが、心の豊かさに繋がることがあるからなのかも知れません。

 

そのような仕事で得られる効果を活かした、新たな高齢者向け施設が「仕事付き高齢者向け住宅」です。

 

「仕事付き高齢者向け住宅」は、今多くの注目を集めており、2017・18年度には、経済産業省が提唱する「健康寿命延伸産業創出推進事業」のモデル事業として選ばれています。

この記事では、仕事付き高齢者向け住宅とはどのようなものか、そのメリットや課題などを紹介していきます。

 

 

 

仕事付き高齢者向け住宅とは

 

介助を必要とする高齢者向けの住宅において、同時に高齢者ができる仕事を提供することで、生きがいや充足感を感じてもらい、活き活きと暮らすことを目指しているのが「仕事付き高齢者向け住宅」です。

 

その始まりは、2007年に「社会福祉法人伸こう福祉会」と「東レ建設」が協力して、要支援・要介護の施設入居者に簡単な仕事をしてもらう、という試みでした。

その後、2017・18年度には経済産業省が推進する「健康寿命延伸産業創出推進事業」のモデル事業に採択されたことで、同様の取り組みが少しずつ広まってきています。

こうして社会福祉法人が企業と連携して取り組みを始めたことで、現在、「仕事付き高齢者向け住宅」は大いに注目されるようになりました。

 

 

 

仕事付き高齢者向け住宅が生まれた背景

介護が必要な高齢者向け施設には、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、グループホームなど様々なタイプがあります。

 

これらの施設では一般的に、身の回りのお世話や生活の介助サービスを提供しているほか、施設の職員が主導してレクリエーションやイベントを行っています。

 

しかしながら、レクリエーションやイベントを通して楽しく余暇時間を過ごしてもらうために、職員がそれらの企画に頭を悩ませることも多く、また、一方で高齢者の中には、こうしたレクリエーションだけでなく、「仕事がしたい」というニーズも強くありました。

それは、施設の中でお世話をしてもらうだけでなく、仕事を通じて社会とのつながりを確認したり、成果を出すことでやりがいを感じ、自分が必要とされていると実感したいという気持ちによるものです。

一部の高齢者にとって仕事をすることは、収入を得る手段以上に、自分の存在価値を感じることができるという大きな意味があるのです。

 

高齢者施設の種類についての詳しいお話はこちら▼

高齢者施設の種類の解説 | それぞれのメリット・デメリット

 

 

 

仕事付き高齢者向け住宅のメリット

 

モデル事業となったケースでは、野菜の栽培施設での軽作業や、そこでできた野菜の販売などを行いました。また別のケースでは、小学生向けに講習を行ったり、一緒に収穫作業を行うなどしました。これらのケースではそれぞれ自分の得意分野を活かし、負担のない範囲で出来る仕事を楽しんだようです。

 

また、仕事をすることによって、自然と周りの人との交流が生まれます。仕事の成果を喜んでくれる人がいれば、自分が役に立ったことでやりがいにもつながり、同時に、自分の存在価値を実感でき、大きな喜びになると考えられます。

 

このように「仕事付き高齢者向け住宅」は、一部の価値観を持つ高齢者にとってのメリットが多い施設であると言えるでしょう。

またそれ以外にも、介護スタッフにとっても、いくつかのメリットがありました。

 

 

 

介護スタッフにとってのメリット

介護スタッフは、定期的に行われるレクリエーションやイベントに対して、どうすれば喜ばれるのか常に考える必要がありました。

その上でマンネリにならないような企画を考え、事前の準備や当日の作業など、通常の業務に加えて発生する業務は、大きな負担となっていました。

 

しかし、それらの企画や準備を「仕事」として高齢者にしてもらうことで、毎回のレクリエーションを企画する大変さから解放されることになります。

次回以降どうするのなど、高齢者同士で相談し合い、工夫や改善をすることで、高齢者間での活発なコミュニケーションが生まれ、同時に介護スタッフは、主導ではなくサポートという形で係わることができるようになり、負担も軽減したのです。

 

 

 

仕事付き高齢者向け住宅の課題

 

仕事付き高齢者向け住宅は、取り組みが始まったばかりの事業ですので、まだまだ課題も存在しています。

最も大きな課題は、仕事をしたい高齢者は多くいるものの、受け入れる体制が不足しているということです。

 

そのほか、高齢者にどのような仕事をしてもらうのが一番良いのか、といったノウハウも、現在進行形で実践しながら知見を集めている段階だと言えるでしょう。特にこの点に関しては、高齢化社会における重大な懸案事項として、さらなる検討が進められています。

 

また、「仕事」をしたい高齢者に対する介護スタッフの係わり方も、試行錯誤の段階と言えるでしょう。これは実際に事業を行いながら、最も適切な距離感・サポートの比率を探していかなければなりません。

 

 

 

「仕事」を通して「社会」と繋がりたい方のために

 

高齢者が活き活きと暮らしていくために、仕事を通じて得られるものは非常に大きいと言えるでしょう。そうしたポジティブな効果を考えると、仕事付き高齢者向け住宅は、今後どんどん広まっていくことが期待されます。

 

しかしながら実際には、施設やそれを運営する企業側に、現状では十分な受け入れ態勢が取れておらず、今のところは限られた範囲でしか実現されていません。

今まさに、働きたいという高齢者の思いを受け入れ、活かしていく体制の実現に向けて、一歩ずつ進んでいる分野なのです。

 

 

一般社団法人テラスライフでは、高齢者施設へのご入居をお考えのお客様の、サポートやご相談を承っております。

専門の知識を持ったスタッフがしっかりとお客様のお話やご希望を伺った上で、最適なサポートをご提案させていただくのはもちろん、気になる施設の見学への付き添いなどもお任せください。ひとりでは判断が難しい問題も、法律の知識を持った専門のスタッフにご相談いただければ、解決のお手伝いができるかも知れません。

ご相談・お見積りは無料です。いつでもお電話をお待ちしております。

 

テラスライフ電話番号:045-370-7085

 

(監修:行政書士・尾形達也)

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