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2023年2月3日
おひとりさまのための成年後見制度

おひとりさまにこそ必要な「成年後見制度」とは?

 

おひとりさまで老後を迎えることを想像すると、自分が認知症になったり判断能力が衰えたりしたときのことを考えて、不安になることはありませんか?

そんなときには老後への備えとして、「成年後見制度」の利用について考えてみましょう。

 

成年後見制度は、判断能力(意思能力)が衰えた場合でも、介護・医療に関する契約や財産管理を後見人が本人の代わりに行えるという制度です。また、成年後見制度には2つの種類があり、大きな違いがあります。

 

今回は、成年後見制度をおひとりさまが利用するメリットや、費用、注意点、2つの成年後見制度の違いなどを解説していきます。

 

 

 

 

成年後見制度とは

 

成年後見制度は、次の2種類があります。

 

・法定後見制度

・任意後見制度

 

まずはそれぞれの制度の特徴について、確認してみましょう。

 

 

≪法定後見制度≫

法定後見制度とは、認知症などで本人の判断能力がなくなった際、家庭裁判所に申し立てをして「法定後見人」をつけてもらう制度のことです。

 

法定後見人は、本人に代わって財産の管理や契約の締結といった支援を行えるようになります。

ただし、申し立てを行うのは、基本的には4親等以内の親族です。そのため、おひとりさまの場合、この申し立てを誰が行うのかという問題が発生します。

 

 

≪任意後見制度≫

任意後見制度とは、将来、判断能力が落ちてしまった場合に備えて、あらかじめ後見人を指名しておく制度のことです。

誰を後見人に指名するか、契約内容をどのようにするかといったことは、本人が自由に決定できます。おひとりさまの場合、弁護士や行政書士など法律の専門家や福祉の専門家など、信頼できる人を任意後見人に指名すると良いでしょう。

 

 

≪注意しておきたい2つの制度の違い≫

法定後見制度と任意後見制度の決定的な違いは、「取消権」の有無です。

 

取消権とは、悪徳商法の被害にあった際、後見人が契約の取り消しを行える権利のことです。

この消権は、法定後見人にしかありません。

任意後見人には認められていないことを、覚えておきましょう。

 

 

 

 

おひとりさまが任意後見制度を利用するメリット

おひとりさまの場合、取消権はないものの、以下のような理由から任意後見制度の方がメリットは多いと言えます。

 

  • 後見人を自分で選べる

  • 契約内容を自分で決めておける

  • 任意後見監督人がつく

 

それぞれの内容について、確認してみましょう。

 

 

≪後見人を自分で選べる≫

任意後見制度では、後見人を自分で選べます。任意後見人には親族が選ばれるケースが多いですが、おひとりさまで頼れる親族がいない場合は、専門家に依頼しましょう。

 

・弁護士、司法書士や行政書士など、法律の専門家

・福祉の専門家 など

 

ただし、お金の管理など大切なことを依頼するわけですから、専門家であれば誰でもいいというわけにはいきません。元気で判断能力がしっかりしているうちに、後見人として信頼できる人を探すことが大切です。

 

 

≪契約内容を自分で決めておける≫

任意後見制度では、契約内容を自分で自由に決めることができます。つまり、判断能力が落ちて後見人の支援が必要になったあと、どのような生活を送りたいかを契約に反映できるということです。

主に契約の内容は、次の3点について決めておきます。

 

  • 生活

  • 財産管理

  • 医療・監護

 

具体的には、下記のような内容を契約に盛り込むことができます。

 

・介護が必要になった際、施設に入るのか自宅でケアを受けるのか

・趣味にかけるお金の目安

・病気になった際、どの病院にかかるか

・報酬の支払いは制度が効力を発した時点で始まる など

 

契約内容をしっかりと検討しておくことで、おひとりさまでも、老後も自分らしい生活を送ることができるでしょう。

 

 

 

≪任意後見監督人がつく≫

 

任意後見制度を利用する際には、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任します。

任意後見監督人とは、任意後見人が契約に基づいた支援ときちんと行っているかを監視する人のことです。本人の判断能力がなくなった後でも、第三者が後見人の仕事ぶりを監視してくれるので、安心感があります。

 

≪報酬の支払いは制度が効力を発した時点で始まる≫

 

任意後見制度では、本人の判断能力があるうちに後見人や契約内容を決めておきます。あくまでも決めておくだけなので、この時点では月額報酬の支払いは発生しません。

 

報酬の支払いが始まるのは、判断能力がなくなり、制度の効力が発生したときからです。無駄がない支払いの仕組みになっているので、手元の財産は残しながら将来に備えるといったことが可能です。

 

 

 

成年後見制度を利用する際の費用

 

成年後見制度の利用を始め、後見人が本人に代わって業務を行うようになると、後見人への報酬が発生します。

 

しかしこの報酬は、法律等で明確に決まっているわけではありません。家族に任意後見人を頼む場合には、無償にすることも可能です。

おひとりさまで法律や福祉の専門家に依頼する場合は、月額3~5万円程度が相場だと考えておきましょう。管理財産が多額になるほど、報酬額も増加します。

 

なお、法定後見人の場合は月額6万円程度が相場です。

 

 

 

おひとりさまが成年後見制度を利用する際の注意点

 

おひとりさまが成年後見制度を利用する際は、次の2点に注意しましょう。

 

・任意後見制度には取消権がない

・成年後見制度では認められていない行為がある

 

それぞれ、詳しく説明します。

 

 

任意後見制度には取消権がない

成年後見制度のうち、任意後見制度には「取消権」がありません。

認知症などを発症し判断能力が衰えていると、悪徳商法の被害に合ってしまうことが心配です。その際、法定後見制度であれば、後見人が取消権を用いて契約を取り消せます。

 

しかし、任意後見制度には取消権がないため、そのような行為ができません。

 

 

成年後見制度では認められていない行為がある

成年後見制度では、認められていない行為もあります。おひとりさまが注意しておきたいのは、次のような行為についてです。

 

・介護にあたる行為

・医療行為への同意

・身元保証人になること

・葬儀などの手配

・死後の事務処理

 

後見人はあくまでも、本人が介護サービスや医療を受けられるようにするのが仕事です。実際に介護をしたり、本人に代わって医療行為へ同意したりすることはできません。

また、本人の死後、葬儀の手配や事務処理をすることも認められていません。

 

こういった成年後見制度の欠点は、以下のようなサービスと併用してカバーしましょう。

・見守り契約

・死後事務委任契約

・身元保証サービス

 

サービスを併用して困りごとの漏れを防げば、おひとりさまでも安心して老後を迎えることができます。

見守り契約や、死後事務委任契約、身元保証サービスに関する詳しいお話は、ぜひ以下の記事をご覧ください。

 

『見守り契約|任意後見・死後事務委任とご一緒に』

『死後事務委任契約とは?』

『意外と知らない身元保証!?おひとりさまが入院するときに陥るピンチ!』

 

 

 

 

制度を賢く利用して、自分らしい老後を

 

今回は、「成年後見制度」について、改めて解説しました。最近ではこの制度の名前を耳にすることも増えていますが、この機会に制度の内容について、知っていただけたのではないでしょうか。

これをきっかけに成年後見制度に興味を持たれた方は、ぜひお気軽にテラスライフまでお電話ください。詳しい制度の説明や、お客様おひとりおひとりにあった活用方法のご提案など、専門の知識を持った担当スタッフがお話しさせていただきます。

 

 

テラスライフでは、おひとりさまで老後を過ごす方のサポートを、様々な法制度を利用しつつ幅広く行っております。任意後見制度の締結はもちろん、見守り契約、死後事務委任契約や身元保証の代行サービスなど、老後を自分らしく生活するためのお手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

もちろん、お見積り・ご相談は無料です。

 

テラスライフ電話番号:045-370-7085

 

(監修:行政書士・尾形達也)

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