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2022年5月18日
認知症と財産管理について

6人に1人が認知症?財産管理など心配事の解消法を説明します

 

内閣府の「高齢社会白書」によれば、65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%となっています。それはつまり、65歳以上の高齢者の6人に1人が認知症になる計算です。

認知症の主な症状は記憶障害・見当識障害・判断力の低下です。認知症になると、これらの症状により認知機能が低下し、日常生活に支障をきたすようになっていきます。

特に、認知症が発症した場合は財産管理などが難しく、それに関連したトラブルは後を絶ちません。

 

この記事では認知症になった時に起こり得る財産管理のトラブルと、そのような事態を回避するために有効な後見人制度や家族信託について解説していきます。ぜひ、最後までご覧ください。

 

 

認知症になると困る財産管理のトラブル

 

認知症になった際のトラブルで多いのは、認知機能が低下したことで契約などの法律行為の意思決定も難しくなってしまい、その結果、詐欺や悪徳商法の被害に遭うリスクが増加してしまうことです。

もともと高齢者をターゲットにした詐欺や悪徳商法が横行している中で、認知機能の低下している高齢者は、そうではない高齢者よりも無防備な状態であり、狙われ易いと言えるでしょう。

 

また、認知症などで名義人の判断能力が著しく低下していると銀行が判断した場合、銀行口座の取引に大幅な制限がかかることもあります。これは、銀行が名義人本人の資産を守るための対策ですが、取引制限がかかってしまうと定期預金の解約などが出来なくなってしまいますので、結果的にはご本人が困ったことになる可能性もあります。例えば介護施設への入居費用や病院への入院費用など、まとまった金額のお金が必要になった際に、預金を引き出せなくなってしまうのです。

 

その他にも、認知症になると医療や介護にかかる出費が単純に増加してしまうということもあります。しかし、その場合でも既に本人の銀行口座は取引の制限を受けているため、家族など周囲の方が一時的に肩代わりし、支払うことになるのです。

 

このように認知症になると、財産管理おいて、「本人が詐欺や悪徳商法の被害に遭うリスクが増える」「銀行口座の取引に制限がかかる」「家族や周囲の人が、介護などにかかる費用を肩代わりする」などの問題が発生します。

 

つまり認知症になると、本人はもちろんその家族など周囲の人間にも、財産管理の負担が増えてしまうのです。そのため、認知症になった場合、成年後見制度など財産を守る制度を利用する必要があります。

 

 

認知症になった人の財産を守る成年後見制度

 

成年後見制度とは、認知症になった人の財産を守るための制度です。成年後見制度には民法に基づく「法定後見」と、任意後見契約に基づく「任意後見」があります。

 

 

法定後見

 

法定後見とは、本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所により成年後見人が選ばれる制度です。法定後見の最大のメリットは取消権があることで、もし本人が悪徳商法などの被害にあった場合は、成年後見人がその契約を取り消すことが出来ます。

 

一方、法定後見の内容は、民法で明確に決まっており、本人の利益になることしか行えないという側面もあります。そのため親族から「孫の教育資金のため贈与して欲しい」などと言われても、成年後見人は本人の財産を減らす行為と判断せざるを得ません。また、法定後見は本人の判断能力が低下してからでないと、家庭裁判所に申し出ることが出来ません。

また、家庭裁判所に申し出る際に、誰を成年後見人にしたいというかという希望は出せますが、最終的な決定権は家庭裁判所にあります。そのため、家庭裁判所の判断により、本人とは何の関係もない弁護士などが選ばれることもあります。

 

 

任意後見

 

任意後見は、ご本人が元気なうちに成年後見人を選ぶことが出来る制度です。自分自身が元気なうちに信頼できる相手と任意後見契約を結び、成年後見人に選ぶことが出来るのが大きなメリットです。その際に結んだ契約は、本人の判断能力が低下した時点で家庭裁判所に申し出ることにより、効力が生じます。

 

任意後見には法定後見と異なり、取消権はありません。しかしその一方で、法定後見とは違い、本人が何をして欲しいかを任意後見契約に盛り込めるため、自由度が高いという特徴もあります。

 

また、任意後見と法定後見の違いについては、こちら↓の記事でより詳しく解説していますので、ご興味がおありの方はぜひご覧ください。

任意後見制度と法定後見制度|おひとりさまにも大きなメリット!

 

認知症になった人の財産を守る家族信託

 

家族信託とは、家族・あるいは特定の法人や故人とで信託契約を結び、自分の財産管理の権限を与えておく制度のことです。家族信託は成年後見制度と違い、本人に判断能力があるうちから財産管理を任せられるうえに、その契約内容は、当事者間の合意により自由に決められます。

 

一方、成年後見制度とは異なり、財産管理に限られた契約であるため、身上監護(*)や本人の代理として法律行為は行えません。

 

家族信託の信託契約は、自分自身で行うことも不可能ではありません。しかし、後々のトラブルを防ぐためにも専門家に相談することをおすすめします。

 

*身上監護とは、被後見人の生活・治療・療養・介護などに関する法律行為をすることです。被後見人の生活環境の整備・介護施設への入退所契約、被後見人の医療に関する契約などが該当します。

 

テラスライフの家族信託サービスについては、こちらの記事↓でもより詳しく説明しています。ぜひ一度ご覧ください。

テラスライフの家族信託サポートについて紹介します

 

認知症に備えて元気なうちに財産管理の手続きを

 

この記事では、認知症に備えて財産管理について、あらかじめ対策を立てることの必要性を説明してきました。今回紹介した制度は、「法定後見」「任意後見」「家族信託」です。これらの制度には、それぞれメリット・デメリットがあり、どの制度が自分自身の状況に合うのか、または自分の希望を叶えるために必要かは、よく吟味しなければなりません。

 

特に「法定後見」の最大のデメリットは、成年後見人を自由に選べないことだと言えるでしょう。家庭裁判所の決定により、成年後見人が決まってしまった結果、それが信頼出来ない相手であることは、必ずしもないとは言えません。

 

そんなつらい事態にならないためにも、万一のことを考えて、認知機能や判断能力の低下を感じるよりも先に、事前の準備をしておくことは大切です。

認知症になり、判断能力が低下したその時から法定後見の手続きは始まります。まず、家族や四親等以内の親族の誰かを申立人として、家庭裁判所に後見開始申立をします。そして、家庭裁判所の決定で成年後見人が選ばれるのです。法定後見の目的は、本人に代わって成年後見人が本人の財産や権利を守ることです。

 

これに対して「任意後見」や「家族信託」は、自分が信頼できる人を選べます。もしも自分が認知症になった時、大切な財産の管理をお願いする相手は自分自身で選びたいと、と考える方は多いのではないでしょうか。

とは言え、「任意後見」や「家族信託」の制度を使って、家族や親しい人の手を煩わせるのも…と、お考えも方もいらっしゃるでしょう。そんな時にはぜひ、テラスライフへご相談ください。テラスライフでは、専門家がお客様ひとりひとりに寄り添い、お客様にとって本当に必要な制度をご一緒に考えながらサポートさせていただきます。

お客様にとって、一番信頼できるパートナーとして、テラスライフの専門家が任意後見の成年後見人として契約し、責任をもってお客様のこれからをお支えします。お客さまを客さまの財産管理・身上監護など、お客さまが末永く安心して生活できるための支援を、ぜひテラスライフにお任せください。

もちろん、ご家族と成年後見の契約を結びたい、そんな時の手続きのご相談をお受けします。難しい手続きを、テラスライフで代行することも可能です。

 

成年後見制度・家族信託・財産管理について、ご不安な点やご不明なことがありましたら、ぜひテラスライフまでご相談ください。お問い合わせ・ご相談はいつでも無料です!

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

テラスライフ電話番号:045-370-7085

(監修:行政書士・尾形達也)

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